嘘吐きたちの戯曲(ラシーヌ)
豊城悠久(ゆうき)は国内外トップブランドからキャスティングされる人気モデル。その成功に驕ることなく知的でストイック、業界内では気さくな好青年として周知されている。
しかし素の悠久(はるひさ)は自信家・わがまま・潔癖症。その性格のため仕事以外の人間関係は壊滅的、友人はおろか恋愛でも長続きせず後腐れのないワンナイばかり。
しかし、そんな悠久は半年ほど前に仕事先で知り合った会社員・人見陽(ひとみよう)に恋をしている。
陽のしっかりした真面目な性格と意志の強い眼差し、身体の相性の良さに惹かれ、今度こそ自身の性格で別れることがないよう、完璧な好青年「モデル豊城悠久」として関係を築いていた。セフレのような関係であるものの、素の自分を内側から変えてくれる陽との日々に悠久は充足感を感じていた。
お互いに相思相愛であると確信した悠久は、ベッドの中で陽に現状の曖昧な関係から将来を見据えた交際をしようと告白が──!?