絶対安全少女
春、とある学園。門出を祝うような桜吹雪の中、水無月水面(みなづきみなも)は呼び止められた。そこで「ふたりは親友よ!!!」と、満面の笑みとVサインつきで一方的に宣言してきたのは、七竈春菜(ななかまどはるな)。未来の大物ルポライターを目指す春菜にとって、水面の存在は超がつくほど重要なのだ。なぜなら、この大人しそうな娘は「アクシデントが起こりそうな場所に近づき、実際に起こしてしまう」という、世にも奇妙な災難ウォッチャーだから。つまり彼女をマークしていれば、事件発生の瞬間に立ち会える。書くネタには困らないというわけだ。こうして、即席の親友を得た水面の新生活がスタートし、さっそく珍事件が起こったが……。本人だけが安全圏!? おかしな超能力者を描く表題作ほか、明るく楽しめるユニークな短編5本を収録!