恋という毒を飲むことにした
それでも、惹かれる気持ちを止められない――
早くに母を亡くし、小さな工場を経営する父と弟と三人、苦労しながらも明るく生きてきた凪。人のいい凪は、ある日バス停で、大声をあげて赤ちゃん連れのお母さんに絡むおじさんを止めようとして、殴られそうになる。間一髪、救ってくれたのはジョギング中の男性。凪は彼を追いかけ、お礼をしたいと名前を聞き出す。彼の名前は「久我理仁」。
口は悪いが、周囲が遠巻きに見るなか、ただ一人彼だけが、凪と親子を守ってくれたのだ。何度か会うたび、ほの甘い想いを抱きはじめる凪だが、一緒に食事に行く約束をしたその日、父が倒れ、母の思い出がつまった工場兼自宅が、再開発で立ち退きを迫られていることを知る――!!【恋するソワレ】