不器用な僕たちの純真
「なんでαばっかりいるんだよ…」そうぼやく日下部は、大学のゼミ選びを間違えた…と激しく後悔していた。ゼミ合宿中、βっぽいという理由だけで様々な雑用を押し付けられていたのだ。「俺も、あーミスったー!って思った」そんな彼に気さくに話しかけてきたのは、もう一人の雑用係、潮里だった。雑用をきっかけに仲良くなっていく二人だったが、ある日、日下部が過労で倒れてしまう。その時潮里は、彼を熱心に介抱する。潮里は頑張る日下部に好意を抱いていたのだ。それを受け入れた日下部はやがて恋人になるのだが、潮里から、実は自分はαだと明かされる。それを知り複雑な気持ちになる日下部。なぜなら彼はΩだったから…。過去のトラウマからそれを明かせず悩みつつも幸せな日々を築く日下部だったが、彼の過去を知るβの鷹島が、それを恨みの籠った目で睨みつけていた。切なくすれ違うそれぞれの想いが出会う時、純真が壊れはじめる――。