完結
この商品は購入もできます。
「っ……、最悪……」
「え? どうしました?」
「いや、なんでもないです。着いたら教えてください」
午前二時。タクシーの後部座席で、高梨一哉は頭を抱えていた。
二十年来の親友・伊神久志に、友人として持つべきものではない感覚を覚えたからだ。
いつもどおりに飲みに行って、たわいもない話をして、またなと言って帰るはずだった。
それなのに、ピタリと身体をくっつけてくる伊神に、妙な感覚を感じた。
「あいつ以外なら誰でも……」
伊神以外だったら、本当に誰でも良かった。
たとえ男が好きでも関係ないと思っていた。
それなのに……。
※前半は高梨一哉視点。後半は伊神久志視点。同じ物語を含めたお話を両方の視点で楽しむことが出来ます。
攻め視点と受け視点の両方をお楽しみください。
以前販売していたものを、加筆修正いたしました。
※本作は東紗鋳樹の個人誌作品の電子書籍版となります。