完結
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「柳都」と呼ばれた新潟市の花柳界・古町で暮らしていた松本雅代は、ある日孫の寿美恵から「祖父・山田泰造の血を引く者として初の女宰相になってみせる」という決意を聞き、万感の想いに駆られるのだった。太平洋戦争開戦の年、雅代は福島の会津からこの街に嫁いできたが、終戦後帰還した夫・松本周作は精神を病んで間もなく死亡。
家族を養うため魚の行商に明け暮れる中、雅代はある雪の日に山田泰造という新米議員から、リヤカーを押してもらうという親切を受ける。ほどなくして、雅代は古町の料亭「柳亭」で仲居として働くことになるが、そこで泰造と思いがけない再会を果たすのだった。