完結
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訪問看護師の川村由美(かわむら・ゆみ)は、息子の浩司(こうじ)と娘・千勢(ちせ)を抱えるシングルマザー。その経験豊富なキャリアと高い能力を買われてこのたび師長に抜擢されるのだが、部下の看護師から担当変更を直訴され、代わりに訪問した先の患者に会って愕然とする。ボロボロの安アパートに一人住む、その横山収(よこやま・おさむ)という70歳の老人は末期ガンを患っており、アパートの大家の話によると、昔、妻子を捨てて女と駆け落ちした成れの果てだという。実は昔、由美の父親もまた幼い彼女と母を捨てて家を出てしまっており、由美としてはこの二人の姿がだぶって見えて仕方なかったのだ。横山に対してなかば憎しみさえ覚えながら、それでも職務を全うするべく訪問看護に通う由美だったが、なぜか彼はひどい激痛があるだろうに、決して処方された薬を飲もうとはしなかった。一体なぜ…? そこには秘められた家族への想いゆえの悲しい決心があったのだった――…。(※本コンテンツは合冊版「ご近所騒がせな女たちVol.31~特集/女の敵は女!!」の内容と重複しています。ご注意ください)