完結
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俺・勘解由小路鳴視(かでのこうじ・なるみ)に、1冊の小説と共に届いた手紙には「気に入ったら、ここへ来い」とあった。送り主は、旧友・中岡宗悦(なかおか・むねよし)。斬新な視点でナルシシズムの頂点を開示し、文壇の異端児と恐れられていた男だ。文章が苦手な俺は学生時代、彼の才能を愛していた。軽い気持ちで、彼の待つ山寺に出向いたその夜、寝所に現れた宗悦に「おまえが来たら抱くと決めてた。おまえだって…」とイキナリ唇を吸われ--!?『才能媒酌人』ほか、旧家の嫡男と使用人の秘めやかで淫らな愛、花街から引き取られた少年と養母の愛人との新たな関係…など、昭和初期~戦後日本、しっとりと愛欲に濡れた男たちのオムニバス集!