蛇は密やかにそのときを待つ

■不器用な大人の男と女のとても切ない恋を描いた泣ける恋愛小説をすごく好きな人におすすめ■
※作中にはストーリー上で欠かせない官能描写ならびにソフトなSM・緊縛描写がございます。

――あなたの心を縛っているものを今夜こそ壊してあげる

母親から見合い話を持ち掛けられるたび断り続けていた瑠衣（るい）。今回に限って断ることができず、仕方なく見合いが行われる仙台に向かう新幹線に乗車してすぐ、あるきっかけから「隣人」である男性と会話することに。他愛ない話から始まったやりとりをしているうちに、仕事上のパートナーでありかつての恋人・渡海に抱いている複雑な感情の正体が後悔であることに気づいた瑠衣。するとずっと話を聞いていた「隣人」は、仙台に到着してすぐ驚くべき行動に出た。

悩みながらも忘れられない恋や自分自身と向き合い、過去と決別した主人公が新しい恋に一歩踏み出すだけでなく自分自身の意志で自分にとっての幸せを選択する繊細な心の揺れ動きを丁寧に描いた切ない濃密ラブストーリー・シリーズ第二作。

【レビュー（WEB公開時】
■初めは瑠衣という女性がとても素敵で、瑠衣さんに幸せになってもらいたいなー。康孝とうまくいったらいいなー、ついでにマサキも歩と結ばれて、ハッピーエンドになったら良いな、と思っていました。でも谷崎さんの深い世界観や、瑠衣と康孝の関係性。縄の受け手としての瑠衣の成長とか、どんどん引きこまれて、乳蜜でのエピソードも含め、もう何としても読了したい大好きな作品です。（30代・女性）
■ノーマルの人から見たら特殊な世界ですが、この作品は大人の恋愛小説として読めるので読ませて頂いています。（40代・女性）

【表紙マスケラ（電子書籍版・単行本版）】Edera
イタリア・フィレンツェ在住の日本人のマスケラ(仮面)職人。

【ピンナップ（電子書籍版）】純友良幸（YoshiyukiSumitomo)
漫画家・イラストレーター。