完結
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小倉多恵子(おぐら・たえこ)は56歳の専業主婦。二人の子供はすでに巣立ち、今は夫・雅之(まさゆき)との二人暮らし。夫は60歳の定年後も会社に引き留められ、今も契約社員としてバリバリ働く仕事のできる男だが、家では縦のものを横にもしない横柄で亭主関白な態度で、たとえ生活に不自由はなくても多恵子は精神的には息詰まるような不満を抱きつつ日々を送っていた。そんなある日のことだった。大学2年から25歳になるまでの丸5年間を恋人同士としてつきあった川嶋誠吾(かわしま・せいご)と、30年ぶりの思わぬ再会を果たしたのは。誠吾は今、新進気鋭の陶芸家として注目され活躍中で、現在はバツイチで独身だという。当時、元々芸術家志望だったゆえの将来性への不安に、誠吾と別れて今の夫と見合い結婚をした多恵子だったが、あの頃と変わらぬ若々しく魅力的な誠吾の姿に、思いもよらぬ熱いたぎりが胸中に甦ってしまうのだった――…。(※本コンテンツは合冊版「人生の選択を迫られた女たちVol.12~特集/夫、捨てますか?」の内容と重複しています。ご注意ください)