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恵比名と麻生は軽音楽部の仲間だった。
二人は想い合っていたがお互い思う所があり言い出せずにいた。
麻生は趣味の軽音楽部生。
卒業したら普通に就職する予定だったが、恵比名はプロ思考で本気でプロになるためチャレンジを続けていた。
二人の道は違えている。そうお互い分かっていたのだ。
ある夜、恵比名は麻生に口づけをした。
耐えきれず逃げ出す麻生の背に掛ける恵比名の声は弱々しく雪に消されて行った。
それから五年目の冬。麻生は会社帰りに何となく目に留まった便箋を買う。
そして今やプロバンドとして成功した恵比名に手紙を書くことにした。
それは二人にとっての小さな賭けであった。