完結
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尾張国中村に生を受けた日吉丸は十三歳の時に蜂須賀小六率いる野盗集団に身を投じ、十六歳の時に今川家重臣の松下加兵衛となり、それから織田家に仕えていた中間頭の一若を頼って小者として織田家に入った。信長に気に入られた日吉丸は、とんとん拍子に出世して羽柴秀吉となる。信長が本能寺で死ぬと、その弔い合戦を一番に果たし、天下取りの後継者の地位を確固たるものにして行った。しかし関白を秀次に譲って太閤となった秀吉は、朝鮮や明国に野望を燃やして、次第に狂気を帯びてくる。朝鮮出兵、嫡子秀頼に跡を継がせるため秀次を切腹させ、家康に死後を託して豊臣家滅亡の禍根を残してしまった…。