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生い立ちに数奇な運命をもちながら、文壇に老大家としての地位を築いた作家平山平四郎の生涯と、野性をひそめたその娘杏っ子の生々流転の姿を鮮やかに描く。さまざまな浮き沈みを経た犀星の筆は、父と娘の微妙な情愛と絆を捉え、不幸な結婚にあえぐ杏っ子のなかに女の愛と執念を追究する。人生の底のよどみを苛酷なまでに抉り出し、生涯の情熱を傾けて描ききった自伝的長編小説。
(※本書は10962/6/10に発売し、2022/4/26に電子化をいたしました)