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幸平の両親は、ある日突然殺された。
犯人は仲良くしていた隣人のおじちゃんで、兄の親友の父親だった。
それから九年後、十六歳になった幸平は兄の良平と二人で暮らしていた。
一見すれば静かで平和な日々だが、兄の態度はどこかよそよそしく、何かを恐れているようだった。
そして、兄が両親を殺した犯人に対して「ごめんなさい」と謝っているのを聞いてしまい、幸平は兄が事件に関して何かを隠していることに気付く。
犯人から送られてきた写真を隠そうとする兄の態度に、幸平は十年前の事件を探ることを決意する。
事件の現場である地元に戻り、幸平は真実を追い始めるが――
両親を殺された兄弟の、切なくて温かい再生の物語。