完結
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高田晴美(たかだ・はるみ/60歳)は一人古びたアパートに住み、介護士として働いていた。すぐ近くのアパートには元夫の高田義尚(よしなお/62歳)が独居し、4人の子供たちは皆それぞれ自立して暮らしていた。晴美と義尚が別れたのは、義尚が商売で失敗し負債を抱え、あくまでその累が晴美に及ばないようにするための形式的なもので、二人の間には変わらず夫婦としての愛があった。しかし20年前、義尚は肺がんを患い大手術の末に片方の肺を摘出し、歩行困難な身体障がい者となって不自由な生活を強いられているという状況にあった。そしてそこへ襲いかかった未曽有の大震災――…多くのかけがえのない命が失われる中、晴美にとって最愛の夫の命もまた黒い濁流の中に呑み込まれようとしていた……。(※本コンテンツは合冊版「3.11あの日を忘れない~実録・女たちの東日本大震災秘話~」の内容と重複しています。ご注意ください)