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両親を亡くしたもの同士、幼いときからともに生きてきたミアとクレト。
少し年の離れた姉弟のように暮らしてきたふたりだったが、
年を重ねるとともに、クレトはミアに異性としての想いを寄せていく。
それを知りながらも、クレトの幸せを願う心から、彼の気持ちを拒絶するミア。
心からお互いを想いあうふたりであったが、とある出来事をきっかけにミアは皇女に目をつけられ、非業の死を遂げるだった――。
その後、地方の男爵令嬢のタリサとして転生したミアは、貴族の付き合いで帝都へ出向いたことをきっかけに転生前の記憶を思い出す。
クレトのことを探すタリサだったが、帝国内にクレトに関する情報は残されていなかった……。
地元にもどったタリサであったが、彼女が十五歳のときに帝都で皇位をめぐり激変が起こる。
第一皇子ながらも冷遇されていたフェリクスが帝位を簒奪したのである。
権力を得るために親族にすら手にかける新皇帝のフェリクスは、「残虐皇帝」の異名で恐れられる存在となる。
フェリクスの治世となり数年――弟の付き添いとして再び帝城へむかったタリサは、
庭園を鼻歌を歌い散策していたところ、その鼻歌に過剰に反応する人物に出くわす。
タリサのことをミアの生まれ変わりだと見抜いたその人物こそ、
残虐皇帝のフェリクスだった――