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たった10秒
その「ひとこと」を変えれば、相手が動く
4万人のコミュニケーションを変えた自己表現のプロが教えるロジカル会話術
あなたの感覚を教えてください。
「10秒」は短い時間? 長い時間?
たかが10秒、されど10秒。
「10秒」は使い方次第で、たっぷり情報を入れられる貴重な器です。
心理学者のT.ウイルソンの研究とその後の脳科学者のJ.メディナの研究 によると、
人間はたった 1 秒間で視覚からだけで 1000 万要素を取り入れ、 のうち40要素を脳で処理できます。
つまり、10秒間だと1億の要素を目から取り入れ、400 の要素を脳で処理していることになります。
10 秒と いう時間の間に、人間はさまざまな情報を処理することができるのです。
一方、10秒で伝えられられる言葉はどのくらいでしょう。
私が40年間専門にしているパフォーマンス心理学の研究では、10秒の間に人間は約44文字(漢字、ひらがななど区別なく句読点含む)を話せることがわかっています。
10 秒で視覚から入る要素は 1 億、脳で処理できる要素 は400ですが、言葉は約44の要素しか伝えられないのです。
情報量の差 は歴然です。だからこそ、44 文字という限られた情報を戦略的に使うことには価値があります。
普通であれば、なんとなく発してしまう 10 秒間 のひとことを意識することで、コミュニケーションの質はぐっと上がります。
本書では、
「お願いする」「謝罪する」「言いにくいことを言う」「自己アピールする」「共感する」「ほめる」「叱る」「本音を引き出す」
という 8 つ のテーマにおける10秒の使い方を解説しています。
各章にはそれぞれのルールがあり、そのルールに従って 10 秒のフレー ズをつくれば、相手に好かれるひとことになります。
各章では、ビジネスシーンや日常での具体的場面を設定して、好かれる ひとこと、嫌われるひとことの例を載せています。
それぞれのひとことは 2、3 のパーツに分解し、パーツごとに「相手に与える印象」を解説されているので、
自分自身に置き換えてひとことをつくることができるようになっています。
また、ひとことをより効果的に伝えるノンバーバルのポイントをイラス トとともに解説している点も本書の特徴です。
ノンバーバルとは、表情や しぐさなど言語以外のコミュニケーションのことです。
心理学の知見をもとにしたノンバーバルのポイントで、10 秒という時間をより効果的に使うことができるのです。
10 秒で 1 億の要素を伝えられる視覚のパワーを活用しましょう。
ぜひ気になったテーマ、場面から読んで理解を深めてください。
【目次】
第1章 相手を動かすお願い、交渉、提案
第2章 関係を修復する謝罪、挽回
第3章 言いにくいことの伝え方
第4章 インパクトを与える自己アピール
第5章 相手の気持ちに寄り添う共感
第6章 やる気を引き出すほめ方
第7章 次につながる叱り方
第8章 本音を引き出す傾聴のひとこと
佐藤綾子(さとう・あやこ)
長野県生まれ。信州大学教育学部卒。ニューヨーク大学大学院パフォーマンス研究科卒(MA)。上智大学大学院英米文学研究科卒(MA)、同博士課程修了。立正大学大学院心理学専攻、博士(パフォーマンス学・心理学)。日本大学藝術学部教授を経て、ハリウッド大学院大学教授、(社)パフォーマンス教育協会理事長、(株)国際パフォーマンス研究所代表。
自己表現力養成セミナー「佐藤綾子のパフォーマンス学講座」主宰。パフォーマンス心理学の第一人者として、累計4万人のビジネスリーダーとエグゼクティブ、首相経験者を含む56名の国会議員等のスピーチ指導を行っている。
著書に『自分をどう表現するか』(講談社現代新書)、『一流のリーダーがやっている部下のやる気に火をつける33の方法』(日経BP)、『できる大人の「見た目」と「話し方」』『トップリーダーに学ぶ人を惹きつける「自分の見せ方」』(ディスカヴァー)など。単著単行本は本著含め197冊。著作累計325万部。