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自己について、書くべきときが来たようだ。自己を愛するが故に、容赦なく剔抉する。自己のうちの不潔をのこらずさらけ出して、自己を不潔から救う―。
時は太平洋戦争終戦直後の昭和21年。40歳になった作家の血を吐くような声が聞こえてくる。これは「敗戦日記」の続篇といえる、“最後の文士”の生き様の記録である。
(※本書は1992/1/1に文藝春秋より発売された書籍を電子化したものです)