もと犬(コミックノベル)
孤独な男、口入屋の吉兵衛の唯一の友だちは、八幡様の境内に住みついた白犬のシロ。ある日、「純白の犬は人間に近いから、来世では人間に生まれ変われる」という噂を聞いたシロは、すりすりと八幡様に手を合わせた。「八幡さま、八幡さま…オイラ、人間になって、吉兵衛さんの親友になりたい!」。そして一陣の風が吹くと、なんと…!?世話になった吉兵衛に恩返しをするため人間として奉公に出たものの、なんせ元が犬なので、その働きぶりは…。劇作家・樋口ミユによる天然ワンコの一席、どうぞお楽しみください。