古酒巡礼―――失われた時が育てたワインたち
1980年創刊(2020年10月廃刊)、日本で最も歴史のある月刊ワイン雑誌
『ヴィノテーク』に連載されたコラムから好評回を厳選し、編集。
・ラフィットは小さい年
・涙の82ラトゥール
・ロマネ・コンティ1929
・史上最安ワイン♪1円
・熟成寿司と古酒
などなど、
さまざまなワインとそれにまつわる人の物語。
愛好家のみならず、ワインとの出会いが嬉しくなる一冊。
古酒ラヴァーのココロを満たすもの。
この世から消えつつある希少品を手に入れたという優越感。
きっとおいしいに違いないという、知識の悲しみ。
歴史遺産の消滅の生き証人になる経験値。
古酒は、酒を愛する多くの者にとっての憧れであり夢でもある。
その魅力は、単に味わいや香りにあるのみではなく、その酒が造られた時代背景に想いを馳せること、
または、生産者からどのようなルートを辿って開栓される日を迎えたのかを想像し。
もしくは、ボトルを眺めながら何時、誰と開けるべきかを考えてみること。
はたまた、本物か偽物かを探偵のように探ってみたりすることも。
そして開栓し、デキャンタ―ジュ、グラスに注ぎ、
香りを嗅いだ瞬間こそが人生における究極の一期一会であると思う事。
古酒を織ることは、人の人生のこれまでを知ることのようでもある。
この一冊には、古酒礼賛とともに、その魅力のすべてが記されている。
―――田崎真也
■目次
・リシュブール1954
・大損?チョイ得?
・雑泡三題
・キャンティでキアンティを
・1969サミット
・Old good Napa
・安寿と壽翁
・黒の舟唄
・読者ワイン会
・パストゥグランの古酒
・パリのアンパンマン
・古泡会
・思い出のバーテンダー
・チロルの赤ワイン
・酸っぱい葡萄
・東京麦酒研究会
ほか(全66項目)
■著者 秋津壽翁(アキツトシオ)
秋津医院・院長。1954年、和歌山生まれ。
医学の分野に進む前に大阪大学工学部発酵工学科で醸造学を修め、その後に医学部に進んだ。
醸造学時代にワインにはまり、やがて「古酒」という異次元の世界にのめり込んで今日に至っている
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)